
北辰会方式とは・・・
北辰会方式とは、中国の伝統医学を系統的にまとめあげた「中医学」を理論的根拠とし、日本の古流派による鍼灸も採り入れ、現代の日本人に合わせながら、なおかつ伝統も踏まえた伝統鍼灸医学における王道と呼べる治療法であり、師匠である藤本蓮風先生が創始者であります。
病というものは、生きている人間の身体に存在するものであるゆえ、当然常に同じ状態でとどまっているものではありません。病は常にうごめいているのです。
病は過去〜現在〜未来へと姿を変えていくものであり、そのうごめく病の状態の瞬間瞬間を捉えたものを「証」と呼び、その「証」に合わせて治療を行うことを弁証論治と呼ぶのです。ですから同じ人間の同じ病であっても、その時その時によって治療は変わる可能性もあります。また西洋医学のように同じ病気であれば全ての人に同じ薬を出すといった治療ではなく、同じ病であっても異なった治療を施したり(同病異治)、異なった治療であっても同じ治療を施す(異病同治)こともあります。
こういった特徴から弁証論治のことを「オーダーメイド治療」という風に表現されることも多いようです。
問診・体表観察により導き出された「証」に対し、最善の経穴(ツボ)を選び抜きます。またその経穴(ツボ)の効果を最大限に引き出すよう、限りなく少ない鍼(少数鍼)しか使わないことがこの治療法の特徴です。
鍼というのは、病が治る方向へ身体を誘導している信号のような役割を持つのです。交通整理を行う場合、幾つもの異なる信号や異なる指示が同時に存在すれば、混乱を来たすことが明確なように、人間の身体にもたくさん鍼を刺し過ぎると混乱してしまい、せっかく身体が持っている自然治癒能力を生かす事ができません。
またもし良い治療効果が得られ、病が治ったとしてもたくさん鍼を刺したのでは、どの鍼がどのように効いて治ったのかを検証することができません。
少数鍼であれば、治らなかった場合なぜ効かなかったのかを検証しなおし、再度病因病理を明確にし、次からの治療にフィードバックすることが可能になるのです。
問診にて得た情報をもとに、病を起こし得るいくつかの病因病理を想定し、それらを絞り込む為に舌診・脈診・背候診・腹診・原穴診といった多面的な体表観察を行い、それによって得られた体表観察情報と問診情報とを符合させ、病の根本となる原因を導き出します。
体表観察とは身体にあるツボの反応や、舌の状態、脈の状態を細かく観察し、どの臓腑・経絡のバランスが崩れたために病気が発症しているのかを診断するために行う東洋医学独特の検査法です。特に北辰会では体表観察を重要視しています。
西洋医学でも血液検査や画像検査を行い、診断を行うように東洋医学ではこのような検査法を用い、身体の状態を診ていくのです。
逆に言うと、これらの検査法を用いずに行う鍼灸・漢方などの治療は真の東洋医学とは言えません。